放射線科は医師の指示の下、人体に対して放射線を照射し検査・治療を行う部署です。
科内の従事者は法律で定められている国家資格を有し診療放射線技師と呼ばれています。
健康診断などで肺のエックス線撮影や胃のバリウム撮影などを検査する印象が強いですが、近年の画像機器の進歩により現在は業務がかなり多様化しています。当院での業務として、単純X線検査、X線TV透視検査、CT検査、MRI検査、マンモグラフィー検査、血管造影検査、骨密度検査などが挙げられ、新しい機器やシステムを導入し医療の高度化を目指し、且つ医療被ばく低減に努めております。
私たちは患者さまと検査で接する時間は短いですが、わかりやすい説明で少しでも患者さまの負担軽減に努め、安心・安全な検査が提供できるよう心掛けております。
CTとは「Computed Tomography」の略で、コンピュータ断層撮影のことをいいます。身体にX線を複数の方向から照射し、透過したX線の吸収差を収集しコンピュータで計算・処理することで身体の内部(断面)を画像化する検査です。
当院の装置は80列マルチスライスCTを使用しており、高速撮影を行い、一度に多くの診断情報が得られます。胸部30cmの範囲を、0.5mmスライスという高分解能を維持したまま、最速2秒で撮影可能です。
頭部・胸部・腹部など各部位の全身検査をはじめ、造影剤を使用し頭部・胸部・腹部・下肢などの血管描出や腫瘍評価をすることができます。
また心臓の血管(冠動脈)についても、短い息止め時間で撮影を行うことが可能です。
そして画像処理ワークステーション導入により、血管・骨・臓器など病変部が分かりやすい3D画像や手術支援画像を作成し、治療に役立つ画像を提供しています。視覚的にとらえやすい3D画像は医師や、患者さまの説明にも役立ちます。
CT検査においては放射線被ばくを避けて通ることはできませんが、当院CTは適切な撮影条件制御により低被ばくで高画質な画像が得られるシステムを採用しています。救急病院として24時間体制で撮影が対応可能です。
この度当院では、1.5テスラ(16チャンネル)のMRIシステムを導入いたしました。MRI(magnetic resonance imaging:磁気共鳴画像)とは、強力な磁石でできた筒の中に入り、磁気の力を利用して体の臓器や血管を撮影する検査です。
大口径・コンパクト設計を採用し、被検者様に入っていただく空間を広く設計しております。
口径:71cm、奥行き長は160cm以下と、もっともコンパクトな設計の装置です。そのため、閉所恐怖症の患者さまも圧迫感なく検査を受けることが出来ます。
1.5テスラMRIは短時間に多くの信号が得られます。従来に比べて短時間で検査を終えることが出来ます。
脳組織を良好なコントラストで観察できます。
造影剤なしで頭部・頚部の血管が明瞭に描出できます。
脊髄、椎間板まで明瞭に観察できます。
膝関節の靭帯も明瞭に観察できます。
頭部領域は古くからMRIが使われてきた領域で、得られる情報はどの画像診断もよりも多いと言われています。当院のMRIは最新の高速撮像法に対応していますので、急性期脳梗塞から出血の診断まで第一選択として使用できます。
脊椎系のMRIも頭部と並び当初から有用性が認められています。MRIでは造影剤を用いなくても骨髄、椎間板、脊髄の評価をすることができます。
関節の診断においてMRIは必須の検査です。靭帯や腱、軟部組織の描出に優れるMRIでは、他の検査では得られない情報を得ることができます
近年のMRI装置の進歩により、上腹部領域のMRIは画像診断に欠かせなくなりました。MR胆管膵管撮影(MRCP)はもちろん、拡散強調画像も上腹部で撮像することができます。
当院の骨密度検査は腰椎・股関節を撮影し、骨の強度や密度を調べる検査です。短時間・低被ばくで高画質、高精度のDEXA法(dual-energy X-ray absorptiometry)による測定です。骨粗しょう症を早期発見し、定期的な測定により骨量評価に役立ちます。
当院のDR(デジタルラジオグラフィー)装置はFPD(フラットパネルディテクター)導入により低線量の撮影・透視を行っております。胃・大腸のバリウム検査、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)などの消化器系検査、徒手整復・ミエログラフィなどの整形系検査、膀胱・尿路造影などの泌尿器系検査、嚥下造影などのリハビリ系検査に対応しています。
一般撮影装置とは異なり、X線を出しながら動画の様に観察し、ベッドを立てたり寝かせたりと動かしながら検査・撮影を行います。
一般撮影は放射線の一種であるX線を利用し、体内臓器や骨の状態、構造を画像にする検査です。代表的な撮影部位として胸部、腹部、骨疾患などがあり、簡便で有用な検査方法のひとつです。
また現在ではデジタル化によりX線フィルムからモニター診断へと変化し、最良の画質かつ低被ばくで診断価値の高い画像を提供することが出来ます。当院では外来・病棟・救急搬送の患者さまに向け計3部屋を用意し対応しております。
マンモグラフィ装置は乳房専用のX線撮影を行います。乳がんの早期発見に欠かすことのできない、最も有効な画像診断の1つです。
撮影台の上に乳房を乗せ、透明な板で圧迫し薄く伸ばして撮影します。左右の乳房に対し、上下や斜め方向から撮影し、乳房を平たく圧迫することで病変をより鮮明に写し出します。
マンモグラフィ検査により、乳がんの初期症状である微細な石灰化、セルフチェックや触診ではわかりにくい小さなしこりを画像として捉えることができます。
血管撮影とはカテーテル(細い管)を鼠径部や手首、肘の動脈から挿入し、造影剤を用いて血管の形態や血流を調べる検査です。
当院では脳神経外科領域において、くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤に対するコイル塞栓術(Coiling)、急性期脳梗塞に対する血栓回収術、頸動脈狭窄に対する頸動脈ステント治療(CAS)、透析領域では、シャント血管内の狭窄に対するシャントPTAなどを行っています。
男女比 | 男性7:女性4 |
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平均年齢 | 32歳 |
当院では、学生さん向けの病院見学を実施しております。病院見学をご希望の方は、右記下記よりお申込みくださいませ。みなさまのご参加、お待ちしております。
診断のための各種検査をお受けしております。撮影画像は放射線科専門医師によって読影し結果をお届けさせていただきます。
患者さまの画像検査をご希望の先生は代表番号へご連絡ください。