病院指標(令和5年度)

病院指標とは

DPCデータから全国統一の定義と形式に基づいて作成した指標のことで、病院の実態をあらわす診療実績とは異なるものです。DPCによる指標の公開は、市民の皆さまに当院の特徴や急性期医療の現状を理解していただくことを目的としています。こうしたデータをもとに当院では、さらなる医療の質向上に向け、質改善活動を行っています。

当院では指標の公開にあたり、医療機関ホームページガイドラインを遵守しています。

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

年齢階級別退院患者数

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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 9 93 184 167 288 500 658 1,229 1,531 616
令和5年4月1日から令和6年3月31日までの当院を退院された患者数について年齢階級別に集計した件数です。
当院は「心の通う、温もりある医療」の理念のもと、地域の中核病院として、4歳から104歳までと幅広い年齢層の患者さまにご来院いただいています。
全体の割合として60歳代以上の患者さまの割合が76.5%となっており、高島平の地域性が反映されています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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脳神経外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 110 18.85 15.70 30.00% 71.16
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 79 4.49 4.73 0.00% 71.01
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 78 7.92 7.66 11.54% 73.76
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 58 24.05 19.09 51.72% 65.36
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 54 6.70 9.88 1.85% 81.43
脳神経外科で最も多い疾患は脳梗塞です。当院に入院した脳梗塞患者さまのうち、最も多かったのは意識障害の程度が比較的軽い(JCS10未満)症例であり、抗血小板薬・抗凝固薬や脳保護剤等による投薬加療した患者さまです。脳梗塞の重症度により在院日数は異なりますが、リハビリを行い退院される方もいれば、更なるリハビリ加療を続けるためにリハビリの専門病院に転院される方もいます。
次に前庭機能障害ですが、眩暈と診断された患者さまがここに分類されます。通常は外来治療で済みますが、症状が重篤な患者さまについては、入院にて眩暈や嘔気をとるために点滴による治療を行います。約5日程度で退院となります。
また、頭蓋・頭蓋内損傷ですが、頭部に外傷を受け、脳震盪、脳挫傷、外傷性くも膜下出血等を起こした患者さまがここに分類されます。多くの方は点滴等による保存的加療で軽快しますが、中には緊急で手術が必要な場合もあります。

整形外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 283 25.39 25.50 53.71% 83.92
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし 96 3.29 4.76 1.00% 63.67
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 69 26.33 21.96 8.70% 75.22
160700xx97xx0x 鎖骨・肩甲骨の骨折 手術あり 副傷病なし 53 2.87 10.95 1.89% 50.36
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 44 8.73 13.04 0.00% 32.07
整形外科で最も多く治療している疾患は、大腿骨近位部骨折(太ももの骨の股関節に近い部分の骨折)の患者さまです。高齢の方に多い4大骨折のうちの一つです。大腿骨の骨折部位により人工骨頭挿入術、骨折観血的手術などを行います。骨折を契機に寝たきりとならないよう、早期からリハビリを開始し自立と自宅復帰を目指します。この疾患は自立まで長期間を要するため、多くの患者さまがリハビリ専門病院へ転院し、更なるリハビリ加療を続けております。近隣の医療機関と連携をとりながら、患者さまの転院の要望にも応えられるよう体制を整えております。
次に前腕の骨折ですが、肘から手首までの骨の骨折で、手のひらや手の甲をついて転倒した際に生じます。整復固定、観血的手術、抜釘術などが行われます。手術後はリハビリを行い、比較的短い入院期間で退院します。
次に、加齢に伴う下肢関節のすり減りや変形で生じる変形性膝関節症に対する入院が多くなっています。変形の進んだ膝を人工関節に置き換える手術(人工関節置換術)を行います。手術後はリハビリを行い、約3週間で退院します。

消化器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 245 2.30 2.61 0.00% 69.09
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし 110 4.53 5.64 0.91% 48.45
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 75 7.87 7.58 0.00% 64.53
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 67 6.16 4.55 1.49% 68.34
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 49 8.96 8.95 4.08% 75.76
消化器では最も多い疾患は、小腸大腸の良性疾患です。内視鏡検査で認めたポリープやその他の隆起性病変を切除・治療します。ポリープを回収して組織検査することで、良性・悪性の診断をします。1泊2日で退院可能です。
次にウイルス性腸炎です。ウイルス感染によって腹痛、嘔吐や下痢などの胃腸症状が引きおこる状態。基本的には対症療法として、症状に対する治療(痛いときは痛み止め、吐き気には吐き気止めなど)を行います。約1週間ほどで退院となります。
次に憩室性疾患(手術なし)です。憩室とは消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)の壁の弱いところにポケット状のくぼみを形成したもので、その憩室にたまった便により感染を起こしたり、憩室の炎症や硬い便など機械的刺激による出血も見られます。安静と抗菌薬の使用、絶食などの食事管理により約1週間ほどで退院となります。

泌尿器科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 35 3.14 2.44 0.00% 70.03
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 23 8.09 7.75 0.00% 73.57
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病なし 21 7.05 5.22 4.76% 60.43
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 18 7.56 6.85 0.00% 76.33
11012xxx99xxxx 上部尿路疾患 手術なし 18 2.00 7.92 0.00% 47.94
泌尿器科では、前立腺がんが疑われたときに行う前立腺針生検法の症例が最も多い症例となっています。針生検とは、前立腺の組織標本を直接顕微鏡で観察して、悪性(がん)か良性かを判断するものです。2泊3日で退院となります。
次に前立腺肥大症です。前立腺肥大症とは、男性の尿道をとりまく前立腺が肥大して尿道を圧迫し排尿障害を起こす病気です。加齢とともに、徐々に進行する疾患で、50歳以上の男性に多くみられます。治療としては、尿道から内視鏡を挿入し、内視鏡の先端に装着した切除ループに電流を流し、肥大した前立腺を尿道側から切除する方法や、尿道から内視鏡を挿入し、レーザーを照射しながら、肥大した前立腺(内腺)と外腺の間を剥離して、内腺の部分を塊としてくり抜き、くり抜いた内腺は、膀胱の中で細かく砕いて、吸引して取り出す方法と高出力のレーザーを照射して、肥大した内腺を蒸散(蒸発)させながら、切除する方法があります。約2週間以内で退院となります。
次に上部尿路疾患が尿管結石、腎結石、腎盂や尿管の良性腫瘍、腎のう胞などの疾患をいいますが、当院では、尿管結石、腎結石の患者さまが多くなっています。尿管結石、腎結石に対しては、自然排石が期待できる場合は薬物療法にて治療します。薬物療法で改善されない場合は入院の上、レーザー治療による砕石や、尿管が塞がらないように尿管にステント(直径1.5〜2mm程の管)留置を行います。

内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 141 28.26 20.60 29.79% 85.73
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 59 27.53 17.38 28.81% 87.49
100380xxxxxxxx 体液量減少症 37 20.65 10.60 27.03% 80.86
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 34 24.00 13.52 5.88% 86.18
050130xx9902xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 28 53.46 23.74 53.57% 87.57
内科では、高齢者が多く罹患する誤嚥性肺炎という呼吸器疾患や心臓の機能が低下による心不全という循環器疾患が多くなっています。
誤嚥性肺炎は、嚥下機能(飲み込む力が衰え)の低下によって、細菌を気道に誤って吸引することにより発症します。食事をお休みして点滴や抗生物質治療を行います。
次に心不全です。心臓の機能が低下して、体に十分な血液を送り出せなくなった状態をいい、症状として息切れやむくみがあります。治療としては、点滴や内服薬による心臓の負担軽減と感染症等の誘因の除去が中心になります。
次に体液量減少症(脱水症)です。初期段階では気づきにくく、症状が悪化後に判明するケースが多く、高齢者を中心に多い病気になっています。

腎臓内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 38 19.53 11.49 26.32% 75.84
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-1あり 14 22.50 13.81 35.71 75.29
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 10 15.20 17.38 20.00 75.80
110290xx99x0xx 急性腎不全 手術なし 手術・処置等1なし - - 14.36 - -
110280xx97x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 13.90 - -
腎臓内科では、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、高血圧や糖尿病による腎機能障害、様々な原因による急性及び慢性腎不全等の内科的腎疾患を扱います。
腎臓病は早期には全く症状がない場合が多く、発見された際には既に腎不全に至っている場合があり、末期腎不全に至ると、血液透析、腹膜透析、腎移植のいずれかの腎代替療法が必要となります。
当院では現在、血液透析の導入を行っており、腹膜透析や腎移植を希望される患者さまは関連医療機関へご紹介しております。
腎臓病だけでなく、他の疾患も合併されている場合には、その担当科と連携して診療にあたります。
※10症例未満場合、-(ハイフン)で表示しております。

内分泌代謝内科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2-1あり 43 18.63 13.99 9.30% 66.58
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 手術なし - - 10.25 - -
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.52 - -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2なし 副傷病なし - - 13.15 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし - - 20.60 - -
糖尿病・内分泌代謝内科の症例で最も多いのは、2型糖尿病(遺伝的な素因に肥満等が加わって発症)の教育、血糖コントロールでの入院です。社会的背景に基づいて、最適な治療法を決定することが目的となっています。
また、血糖値の高い患者さんが他の診療科で手術をする前に、入院して血糖コントロールを行う場合、その他感染症に伴う高血糖や低血糖による入院、インスリン導入目的によるもの等があります。
※10症例未満場合、-(ハイフン)で表示しております。

乳腺外科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 14 9.71 9.88 0.00% 70.07
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 14 6.71 5.64 0.00% 64.34
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし - - 3.51 - -
090010xx99x80x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-8あり 副傷病なし - - 3.55 - -
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし - - 9.69 - -
乳腺外科では、乳がんをはじめとする乳腺疾患全般にわたる診断(触診、マンモグラフィや乳腺超音波検査など)を行い、患者さまに合った効果的な治療治療(手術・術前・術後化学療法・内分療法・対症療法など)を行っています。
※10症例未満場合、-(ハイフン)で表示しております。

眼科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 84 2.00 2.54 0.00% 78.07
当院では、白内障に対する手術を行っています。白内障とは、眼の水晶体と呼ばれる部分が濁って視力が低下する疾患です。1泊2日での退院となります。

耳鼻咽喉科

DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 13 5.46 5.51 0.00% 41.31
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 2.92 4.73 0.00% 65.75
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし - - 8.71 - -
030240xx01xx0x 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 扁桃周囲膿瘍切開術等 副傷病なし - - 7.52 - -
030428xxxxxxxx 突発性難聴 - - 8.55 - -
急性扁桃炎、扁頭周囲膿瘍や急性咽頭喉頭炎に対する治療です。これらは通常外来通院にて抗菌薬治療を行っていますが、疼痛により食事が摂れない場合(摂食不良・困難)や呼吸困難を生じた重症例に対しては入院での抗菌薬治療を行っています。
次に前庭機能障害ですが、眩暈と診断された患者さまがここに分類されます。耳の奥にある平衡感覚をつかさどる前庭が障害を受けめまいが発症します。通常は外来治療で済みますが、症状が重篤な患者さまについては、入院にて眩暈や嘔気をとるために点滴による治療を行います。
※10症例未満場合、-(ハイフン)で表示しております。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数

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初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 10 1 3 16 5 1 1 8
大腸癌 12 22 16 18 2 3 1 8
乳癌 9 21 8 1 0 0 1 8
肺癌 0 0 0 4 4 0 1 8
肝癌 0 0 0 1 0 0 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
がんの進行度合いは0、I、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの5つのステージで表され、ステージⅣが最も進行したがんとなります。
ステージの判定は、①がんの大きさ(広がり)、②リンパ節への転移の有無、③他の臓器への転表は、5大がんに対して当院で入院診療を行った患者さまの件数を初発・再発別、初発の場合はさらにステージ別で集計したものです。移次の3つの要素を基に決められます。
当院では胃がん、大腸がん、乳がんの件数が多くなっています。健康診断や人間ドック等で陽性が疑われた方が精密検査を受けることで発見されやすいがんとなっています。
消化管のがんははじめ粘膜に生じ、徐々に粘膜の下層に浸潤していきます。初期のステージのがんに対しては、EMR(内視鏡的粘膜切開術)、ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)といった低侵襲の内視鏡治療が行われます。
さらに進行したがんに対しては、外科的手術をはじめ、抗癌剤による化学療法を行っており、患者さまにとって最良の医療が提供できるよう努めております。
乳がんについては、当院は乳頭・乳輪を残した上で、がんを周囲の正常乳腺を含めて部分的に切除し、乳房の変形が軽度になるように形を整える乳房部分切除を行っております。進行したがんについては、消化器同様に化学療法や、他院での放射線治療を行っております。
肺がん、肝がんについては、当院での症例は多くありませんが、当院は他の医療機関との連携体制も充実しており、患者さまのご希望があれば専門の病院を紹介させていただくことも可能です。

成人市中肺炎の重症度別患者数等

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患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 7 9.86 59.29
中等症 76 21.33 80.71
重症 37 33.54 85.24
超重症 18 30.56 82.83
不明 0 0 0
市中肺炎とは、自宅などで生活していてかかる肺炎のことで、病院に入院していてかかる院内肺炎と区別されます。
肺炎重症度分類の定義(A-DROPスコア)に基づき入院時に状態から重症度を決定しております。
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
A-DROPシステム
A(Age):男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration):BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R(Respiration):SpO2 90%以下(PaO2 60torr以下)
O(Orientation):意識障害あり
P(Pressure):血圧(収縮期)90mmHg以下
上記の指標のうち、
軽症:上記指標のいずれも満足しないもの
中等度:上記指標の1つまたは2つを有するもの
重症:上記指標の3つ以上を有するもの。ただし意識障害・ショックがあれば1項目のみでも重症とする
超重症:上記指標の4つまたは5つを有するもの
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
全体的な傾向としては、中等症の患者さまが最も多く、全体の半数近くを占めること、重症度が上がるにつれ平均在院日数も伸びる傾向にあること、高齢になるほど重症化しやすい傾向があることが挙げられます。
肺炎治療の標準的なガイドラインでは、軽症の場合(重症度0)は外来での通院治療を基本とするため入院加療の件数は多くはありませんが、併存症などの患者背景を考慮し、医学上必要と判断される場合は軽症であっても入院加療を行います。

脳梗塞の患者数等

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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 338 24.91 77.01 35.50%
医療資源の最も投入した傷病名が脳梗塞(ICD:I63$)の患者さまを対象として、発症日から入院までの日数別に患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計したものです。
多くの方が発症後3日以内に来院されます。脳梗塞の治療は一刻を争い、その後の患者さまのQOLを大きく左右するものであるため、当院ではt-PA(血栓溶解)や血管内手術(血栓回収療法)など積極的に治療を行い、24時間・365日迅速に医療を提供できるよう体制の確保に努めています。
入院中は、点滴治療を行うとともに発症早期からリハビリを行い、自立を目指します。脳梗塞の急性期治療を終了した患者さまのうち6割は自宅退院または元の施設へ戻られます。
残りの4割の患者さまは更なるリハビリを行うため、リハビリ専門病院等へ転院します。当院は他の医療機関と連携し、リハビリを必要とする患者さまには専門の病院を紹介します。また、引き続きリハビリが必要な患者さまに対しては外来でのリハビリを行っています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)

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脳神経外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 50 0.08 15.08 18.00% 78.84
K178-4 経皮的脳血栓回収術 41 0.12 28.61 56.10% 80.73
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 20 2.20 12.15 10.00% 74.65
K1781 脳血管内手術(1箇所) 18 4.67 33.39 27.78% 63.50
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 13 7.54 31.38 38.46% 66.54
慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、頭部外傷1~2ヶ月後に脳を覆っている硬膜と脳との隙間に血が溜まり、血腫が脳を圧迫する病気(慢性硬膜下血腫)に対して行います。通常、局所麻酔下にて、頭蓋骨に小さな穴を開け、血腫を取り除き、洗浄します。当院では高齢の方が多いため約2週間の入院を要します。
脳梗塞に対しては発症から4、5時間以内では、アルテプラーゼ(t-PA)を用いた血栓溶解療法が有効とされています。しかしながらt-PAを投与しても症状が改善しない場合や発症からすでに4、5時間以上を経過している脳梗塞急性期症例などに対してカテーテルを用いた経皮的血栓回収術を行い、閉塞した脳血管の再開通させ症状の改善を図ります。
また動脈硬化により細くなってしまった頚動脈に対し、バルーンを用いて血管を広げ、さらに金属のステントを用いて拡張を維持し血流を改善されるステント留置術も行っています。

整形外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 190 2.40 17.92 44.74% 78.81
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 133 3.93 21.25 55.64 85.35
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 126 1.26 5.08 7.14% 63.55
K0821 人工関節置換術(肩、股、膝) 120 2.55 21.84 7.50% 73.09
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕、下腿) 60 0.48 1.13 0.00% 52.08
骨折観血的手術は当院で最も多い手術です。特に高齢者の方は転倒により、股関節に近い大腿骨や上腕、前腕、下腿と骨折することが多く、骨折観血的手術(金属製のプレートやネジなどを使って骨折部を固定)を受けられる方が多くなっています。入院後3日以内に手術を施行し、術後はリハビリを実施して、骨折部位によって異なりますが、約3週間ほどには退院しますが、更なるリハビリが必要な患者さまについては、近隣のリハビリ専門病院に転院も行っています。
次に人工骨頭挿入術です。股関節の骨(大腿骨頚部)が骨折した場合や大腿骨の骨頭が壊死してしまった場合に行われる手術で、大腿骨の骨頭を人工のものに置き換えるという手術です。 大腿骨頚部は折れやすい形状で、固定が難しく治りにくい環境にある為このような手術を行います。入院期間としては、1ヶ月以内には退院・転院できます。骨折部位や年齢によって術後退院までの日数は異なってきます。

消化器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 226 0.10 1.18 0.44% 69.16
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 43 1.12 4.56 2.33% 58.86
K6335 鼠径ヘルニア手術 33 1.61 4.21 3.03% 73.39
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 33 1.06 3.39 0.00% 62.76
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 25 6.40 12.20 0.00% 67.44
大腸のポリープ切除が最も多い手術となっています。内視鏡にて、ポリープ(隆起部)の形状や性状、正常粘膜との境界等をよく観察し、内視鏡の先端部から出した輪状のワイヤーをポリープにかけ、弱い電流を流し切除します。
次に腹腔鏡下胆嚢摘出術は、腹腔鏡を用いて腹壁に小さな穴を数箇所開けて、腹腔鏡や鉗子等を入れ、お腹の中の様子をテレビモニタで見ながら行う操作を行い胆嚢を取り除く手術です。キズが小さいことによって術後の傷の痛みが少ない、患者様の負担が少ない、入院期間が短い、整容性(術後の傷口が目立たない)に優れている、出血量が少ない、神経損傷が少ない、術後の腸管癒着が減るなど多くの利点があります。

泌尿器科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 26 1.62 10.15 3.85% 77.35
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 24 4.46 3.71 4.17% 61.67
K841-22 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術(ツリウムレーザーを用いるもの) 24 3.08 6.58 8.33% 74.13
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 10 1.10 3.10 10.00% 74.40
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) - - - - -
泌尿器科で最も多い手術は、膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)です。これは尿道から手術用の内視鏡を挿入し、病巣部を電気メスで切除します。開腹手術に比べ侵襲が少ないことが特長です。リンパ節への転移がなく、病巣の深さも粘膜の表面にとどまっている初期のがんが対象となります。
次に、経尿道的尿路結石除去術です。自然排石しないものや、尿の流れが悪く合併症を引き起こす危険のあるものに対し、内視鏡を尿道から通し尿管や腎杯にある結石を直接確認しながら、レーザーを用いて破砕します。破砕された結石は、結石をつかむ器具で回収するため、安全かつ確実に結石を取り除くことができます。
※10症例未満場合、-(ハイフン)で表示しております。

内科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K597-2 ペースメーカー交換術 12 1.00 5.00 0.00% 81.17
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) 10 1.40 1.20 0.00% 76.60
ペースメーカー交換術ですが、ペースメーカーは内蔵されている電池によって動いています。電池の消耗には個人差がありますが、平均7~10年で交換時期となります。電池が切れてしまうと、ペースメーカーは作動を停止するため、ペースメーカー植込み前の状況に戻り、不整脈や心不全をきたし、めまい・意識消失・失神の発作が出現する危険性があります。従って、電池が切れる前に、ペースメーカーのチェックにて、交換が必要な指標を認めると交換手術が必要となります。

乳腺外科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないのもの)) 14 1.00 4.71 0.00% 64.36
近年の日本女性の悪性腫瘍のなかでは最も頻度の高い乳がんに対する乳腺悪性腫瘍手術です。
がんを含めた乳房の一部を、扇形または円形に切除して、乳房の正常部分をなるべく残す手術です。切除した組織を手術中に顕微鏡で観察して、がんの取り残しがないように確認しながら手術を進めます。
また、センチネルリンパ節生検を行なって、わきの下のリンパ節を切除するか判断します。手術時間は約1.5時間です。

眼科

Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) 84 0.00 1.00 0.00% 78.07
白内障によって濁った水晶体を取り除き、代わりとなる眼内レンズ(人工水晶体)に置き換える手術を行います。濁った水晶体を超音波で分割、取り除き、眼内レンズを挿入します。傷口が小さく安全性が高い手術です。
手術には入院は必須ではありませんが、手術の日は片眼に眼帯をしたまま家に帰らなければならない点や、次の日に必ず来院しなければ行けない点を考えると1泊2日での手術・入院がおすすめしております。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 12 0.22%
180010 敗血症 同一 15 0.28%
異なる 27 0.50%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 12 0.22%
異なる - -
上記の傷病は、いずれも一般に、手術や処置などの医療行為に伴って合併症として発症することが多いとされるものです。もちろん日常生活の中で発症する場合もあります。
DPC制度では、「入院の契機となった傷病名」と入院中「最も医療資源を投入した傷病名(医師が中心的に診療した疾病)」をそれぞれ記録する必要があるため、両者が同一か異なるかで、院内で発生した合併症かそうでないかをある程度判断することが出来ます。
上表は、両者が同じ場合を「同一」、異なる場合を「異なる」と表示し、区別して集計したものです。
播種性血管内凝固症候群や敗血症では、「異なる」とした件数の方が多くなっていますが、重症の患者さまや複数の疾患をお持ちの患者さまは一般に合併症を起こしやすい傾向にあるため、単純に発生率が高いことをもって医療の質の良し悪しをいうことは出来ません。
合併症は、起こさないようにどんなに注意を払っても、日常生活や治療に伴って一定の確率で不可避的に発生するものであると言われています。当院では、万一合併症が発生した場合でも迅速に対応できるよう努めております。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率

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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
935 799 85.45%
肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部静脈にできた血栓が血流によって運ばれ、肺動脈に閉塞を起こしてしまう重篤な病態です。手術後の安静臥位がそのリスクになると考えられており、これを予防するため適切な対策を行う必要があります。この指標は、「肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症予防ガイドライン」に基づいて弾性ストッキングの着用、間歇的空気圧迫装置の利用、抗凝固薬などの薬物的予防等が行われた肺血栓塞栓症の予防の実施状況を表したものです。

血液培養2セット実施率

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血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
674 578 85.76%
抗菌薬治療時の血液培養検査は、感染症の原因特定のための必要な検査です。また、得られた結果に基づいて抗菌薬を選択することで、適切な治療につながります。血液培養は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2セット以上行うことが推奨されており、その実施状況を表したものです。

広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

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広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
358 219 61.17%
近年、多剤耐性のある菌や、幅広い菌種に効果を有する抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要となり、その実施状況を表したものです。

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