疾患別治療法と当院での実際の治療例
脳血管疾患
脳卒中 脳梗塞 / 一過性脳虚血発作 / 脳出血 / くも膜下出血
脳腫瘍
良性腫瘍 髄膜種 / 聴神経腫瘍 / 下垂体腫瘍
悪性腫瘍 中枢神経原発悪性リンパ腫 / 悪性神経膠腫 / 転移性脳腫瘍
外傷
機能性疾患
その他
-
脳梗塞
-
- 発症から早期であればあるほど治療効果が高い
- 発症後4.5時間以内であればtPA療法
- 発症後24時間以内で救済可能な脳の領域がある太い血管の閉塞であれば血栓回収治療が実施できる。血栓回収療法の方法は動画の通りである。
- 来院から治療完了までの時間を可及的に短縮することで予後を良くする取り組みをしている。当院では下記の専用プロトコールにて時間短縮を実践している。プロトコール導入前と後のデータを示す。
- 原因は高血圧、喫煙、糖尿病、高脂血症、心房細動(不整脈)などの心疾患である。
- 脳梗塞の治療はリハビリテーションと再発予防。
tPA(血栓溶解療法)
体重ごとに投与量が決定
当院独自の血栓回収プロトコール
血栓回収デバイス
ステント(Solitare platinum 6-40)
吸引カテーテル(React71)
症例
左中大脳動脈閉塞 心原性脳塞栓症
術前MRI
-
一過性脳虚血発作
-
- 脳梗塞の前駆状態。梗塞へ移行する確率が高い状態であり、特に高リスク群では早期介入を要する。リスクは下記のABCD2スコアにより層別し、入院の可否を決定する。
- 具体的な介入方法としては原因となる主幹動脈狭窄や脳梗塞塞栓源の精査。更には抗血小板や抗凝固療法、状態によっては外科的治療である。入院により上記を一括して実施する。
- ABCD2 score
-
脳出血
-
- 原因はほとんどが高血圧性であるが、一部加齢に伴う脳血管の変性によるものがある。
- またその他の原因として脳動脈奇形や海綿状血管腫、静脈血栓症などが挙げられるがこれらでは出血増悪や再出血リスクがあり、別途治療を要する。
- 脳出血により正常脳の圧排が大きく、それによる神経症候がある場合外科治療を考慮する。それ以外の症例は止血剤・血圧コントロールによる保存的加療とする。
- 発症12-24時間後のフォローアップCTで血腫増大がないことを確認し、積極的にリハビリテーションを開始する。
- 出血部位としては被殻・視床・小脳・橋・皮質下の順に多く、視床と橋に対して血腫除去術の手術適応はない。
- 外科治療には開頭術と神経内視鏡による手術がある。血腫の状況などでテーラーメイドに適応を判断する。
脳出血部位
脳幹出血
被殻出血
視床出血
小脳出血
-
くも膜下出血
-
- 突然発症の頭痛(バットで殴られたような)が特徴
- 項部硬直といって首が固くなることが多い
- 3人に1人は残念ながら死亡し、3人に1人しから社会復帰することが出来ない重篤な疾患である。
- 原因はほとんどが動脈瘤破裂によるが、一部に脳動静脈奇形や静脈性のものがある。
単純CTやMRI、腰椎穿刺にて内因性くも膜下出血と診断した際は造影CTや脳血管造影検査にて原因の精査に向かう。
- 動脈瘤が再破裂すると致命的(再出血時の致命率50%程度)となることが多いので、再破裂予防治療が適応となる。
- 治療には開頭クリッピング術とコイル塞栓術がある。動脈瘤の状態や患者様背景に応じてテーラーメイドに治療方法を決定する。
- 発症後4-14日目に脳血管主幹動脈が細小化する脳血管攣縮期となる。
- 抗血栓療法や点滴(水分バランス管理)により脳虚血や脳梗塞予防を実施する。
場合によっては血管拡張薬をカテーテルから頭蓋内動脈に直接投与する治療法を実施する。
- 重症度に応じて入院期間が異なるが、大体1か月から2か月程度の入院となる。
場合によってはその後リハビリテーション病院へ転院し、更なるリハビリを実施する。
症例
-
未破裂脳動脈瘤
-
- 破裂すれば先述のくも膜下出血となり、致命的な経過をたどることがある。
- 治療の適応については人生における破裂率と治療合併症を天秤にかけて実施を判断する。
- 破裂率は過去の大規模研究(UCAS Japan)から部位・大きさ・形・家族歴・多発性などを参考に症例ごとに推定する。
-
治療法は開頭クリッピング術とコイル塞栓術がある。両治療とも同リスクで実施できる瘤に対しては侵襲性に於いて、コイル術に分があり、一方で根治性についてはクリッピング術の方が良い。しかしながら、瘤部位や形、アクセス血管構造などにより治療法の優劣がある場合は積極的に有利な治療を選択する。例えば後方循環(脳底動脈や椎骨動脈など)や傍前床突起部動脈瘤などでは頭蓋内深部に瘤が位置するので直接アプローチ(開頭術)よりもコイル塞栓術が有利とされている。
- 治療合併症は部位・大きさ・周囲血管との関連性から推定されるが概ね5-10%程度となる。具体的な治療合併症としては
母血管閉塞による広範囲梗塞、血管解離や破裂によるくも膜下出血、血栓形成等による脳梗塞、造影剤関連合併症、穿刺部合併症が挙げられる。母血管閉塞やくも膜下出血となった場合は遷延性意識障害や麻痺などが後遺したり、致命的な経過を辿ることもあり、治療適応は慎重に考慮する必要がある。
破裂率
大きさと破裂の危険性の関係
部位と破裂の危険性の関係
破裂の危険性(%/年)
症例
脳底動脈瘤
CTA
-
頸動脈狭窄症
-
- 動脈硬化などにより総頚動脈-内頸動脈が徐々に狭窄していく病気である。
- 狭窄が進むと脳血流が足りなくなり、症状が出現することと、狭窄部に不安定なプラークが出現し、塞栓物質の巣となる可能性がある。
- 狭窄進行予防の為には血圧管理、脂質管理、血糖管理の他、抗血小板薬による治療が必要となることがある。
- それでも脳梗塞となった場合もしくは無症候でも高度狭窄(>70-80%)があれば、外科治療が必要となる。治療しない場合は年間1~3%程度の脳梗塞発症率となる。
- 具体的な外科治療としては頸動脈内膜剥離術(顕微鏡治療)と頸動脈ステント留置術(血管内治療)がある。
-
治療による合併症は頸動脈内膜剝離術とステント留置術に共通するものとしては脳梗塞と過還流症候群とそれに伴う脳出血がある。治療特異的なものとしては頸動脈内膜剥離術では術後頸部血腫による呼吸不全と創部感染、ステント留置術では穿刺部合併症、造影剤腎症、アレルギーなどがある。
- 内頚動脈狭窄症は一定の確率で再発し、再治療が必要となる。
症例
術前
ステント留置後
- 頭蓋内動脈解離
-
- 正常血管は内膜-中膜-外膜の3層構造である。何かのきっかけで内膜に亀裂が入り、内膜-中膜の間、更には中膜-外膜、外膜の外に血流が迷入することで最悪くも膜下出血をきたす。(下記の図)
- 日本人では椎骨動脈が好発である。頭痛発症するものがほとんどであるが、一部くも膜下出血や脳幹・小脳梗塞となる症例もある。
- また当初頭痛発症であっても、経過中にくも膜下出血となり、命を落とす可能性もある。
- 頭痛発症であれば血圧コントロールによる保存加療を基本とする。虚血発症(脳梗塞)であれば、抗血小板薬による治療を第一とする。くも膜下出血となれば、可及的速やかな外科治療(血管内治療)を要する。
- 頭痛発症の後に、くも膜下出血となる症例は1-2%程度である。
血管の模式図
症例
左椎骨動脈解離
CTA
- 脳動静脈奇形
-
動脈と静脈が直接繋がる先天的疾患である。
毛細血管がないので、動脈の高い圧が静脈にかかり出血することがある。出血した場合は脳出血、くも膜下出血を引き起こし、麻痺や意識障害、場合によっては致死的な経過となることもある。
脳出血で見つかる頻度は10万人に1人と言われており、脳動脈瘤の約10分の1である。
症状は上記の出血に伴う症状の他、てんかん発作、脳内盗血(正常脳血流が脳動脈脈奇形にとられることで、ある部位の血流が少なくなり症状が出現する)がある。
出血した場合、再出血率は最初の1年で6%, それ以降も2-3%で推移する。これは10mm以上の脳動脈瘤破裂率と同等程度の確率である。
また初回出血での死亡率は10%、後遺症を残す確率は30%である。
治療は開頭ナイダス(血管塊)摘出術、血管内治療、放射線治療がある。
開頭治療に際しては難易度をSpetzler-Martin Gradeと言われる尺度で5段階に分類することが最初に行うべきステップである。Gradeは部位・大きさ・静脈の流れる方向で決定される。
Grade4,5は高難易度となり、根治がGrade1-3と比較すると難しいと考えられる。
当院では基本的に血管内治療にて流入血管を塞栓した上で、開頭術を実施し、ナイダスを摘出し、根治を目指す標準治療を実施している。
放射線治療は大きさ3cm以下のナイダスを有する症例の根治と高難易度の脳動脈奇形に対する出血率低減目的で実施している。治療完了までは2-3年を有し、その間は出血率は低下しないとされている。
- 硬膜動静脈瘻
-
- 後天的に硬膜上で動脈と静脈が直接繋がる進行性の病気である。静脈洞血栓症後に発症することが多い。頻度は100万人に3人程度である。
- 症状は耳鳴りが特徴的である、他に頭痛や精神症状、場合によっては出血発症することもある。
- 進行性の病気であり、罹患静脈洞の血栓化に伴ってステージが進む。重要なことは正常な向きと逆側に血流が進んでしまうことで、脳の静脈に向かった場合は絶対手治療適応となる。脳表に逆流がなくても耳鳴りが強くADL低下がある場合は治療を検討してもよい。
- 治療法は基本的には血管内治療で、カテーテルで行う。動脈側と静脈側どちらからアプローチするかは病期の解剖学的構造などによりオーダーメイドに決定する。
- 髄膜腫
-
- 硬膜-くも膜から発生する腫瘍、女性に多い
- 有症状や画像上周囲に浮腫を伴うものは摘出術を検討する。外科治療適応となる多くは3cm以上のものである。
- 治療は発生母地である硬膜を含めた全摘出が目標となる。
- 発生部位によっては硬膜を摘出できないものもあり、その場合は再発率が高くなる。
- 90%以上は良性のものであるが、10%弱で軽度悪性、1%弱で高度悪性のものがある。
- 悪性度が高くなると全摘出しても再発を繰り返すことがある。
- 入院は術後麻痺などが起こらなければ10日程度であることが多い。
症例
術前
術後
- 聴神経腫瘍
-
- 聴神経は上前庭神経、下前庭神経、内耳神経から構成される。
- 多くは前庭神経のシュワン細胞という神経構成細胞が原発となる良性腫瘍である。
- 小さなものでもめまい、聴覚障害をきたすが、大きいものでは小脳や脳幹を圧迫し、体感失調などもきたす。
- 治療法は外科的摘出術と放射線治療(サイバーナイフなど)がある。
- 聴力が温存されている場合はまずは外来にて経過観察することが多い。
- 術後合併症としては聴力温存症例では聴力障害を、全症例で顔面神経麻痺が起こりえる。また外科治療後も再発の可能性があり、数年に渡りフォローアップの必要がある。
- 両側聴神経腫瘍がみつかればNF-2の除外が必要となる。
症例
- 下垂体腫瘍
-
- トルコ鞍という鼻腔の奥、眼の間にあたる部分の内部に存在する下垂体の細胞が腫瘍化したもの。
- 原発性脳腫瘍の中で2番目の頻度である。
- 脳ドックなどの偶発的に見つかることもある。
- 非機能性腫瘍と機能性腫瘍に分類されるが、後者は下垂体ホルモン産生細胞が腫瘍化したもので、代表的なものに成長ホルモン産生腫瘍やプロラクチン産生腫瘍などがある。
- 成長ホルモン産生腫瘍は巨人症や末端肥大症を引き起こし、プロラクチン産生腫瘍は不妊や乳汁分泌をきたす。
- プロラクチン産生腫瘍以外の機能性腫瘍であれば、外科治療が第一選択。プロラクチン産生腫瘍はドパミン作動薬による治療を第一選択とする。
- 非機能性腫瘍は視神経圧排などの症状を有さない場合はまずMRIによる経過観察が第一選択。視野障害、典型的には両耳側半盲(両目の耳側半分が見えにくい)を生じた場合は外科治療適応となる。
- 外科治療としては、顕微鏡治療が以前はメインであったが、現在は神経内視鏡治療が主流となっている。経鼻的にアプローチし、低侵襲の治療となる。
-
合併症は術中内頸動脈損傷、術後尿崩症(一時的、永久的)、術後出血などがある。内頸動脈損傷は生命に関わり場合によっては血管内治療で治療する。術後尿崩症はピトレシンやミニリンメルトといった抗利尿ホルモンで対応する。術後出血を起こすと視野障害を引き起こすので、可及的速やかに再手術を要する。
症例
神経内視鏡治療
- 中枢神経原発悪性リンパ腫
-
- 脳室周辺に発生する高度悪性腫瘍であり、多発することもある。
- 治療はMTX(メソトレキセート)を中心とする化学療法である。
- 外科治療はあくまで病理診断目的に実施する。
- 放射線治療は全脳放射が行われるが、一定の副作用があるので、化学療法後もコントロール出来ない腫瘍や再発時に考慮される。
- MTXを含む化学療法レジメンは高用量MTX療法が伝統的に行われていたが、最近では分子標的薬のリツキシマブを併用したR-MPV療法が実施されている。
症例
R-MPV療法 レジメン
regimen-noushinkeigeka.pdf
- 悪性神経膠腫
-
- WHO Gr.3,4の神経膠腫で、頭蓋内原発の癌である。
- 中枢神経を構成するグリア細胞を原発とする悪性腫瘍。
- 治療は可及的摘出と術後同時化学放射線療法である。
- 化学療法はTMZ(テモダール)という薬剤を42日間投与。
- 放射線治療は60Gyを30回に分けて、1日2gyずつ照射する。
- その後は28日の1クールとして5日間TMZ投与+23日間休薬を実施する。
- Gr.4の神経膠腫は膠芽腫と言われ、現状全癌腫の中で最も予後不良である。
症例
術前MRI
術後MRI
TMZ+RAD レジメン
regimen-noushinkeigeka.pdf
- 転移性脳腫瘍
-
- 脳腫瘍の中で最多
- 転移性脳腫瘍では乳がん、肺癌などが原発として多い。
- 原発巣のコントロール下で、腫瘍による所見が強い場合に摘出術の適応がある。
- 摘出後は放射線による全脳照射を実施する。
症例
転移性脳腫瘍
MRI
肺癌
CT
- 脳震盪
-
- 強く頭部を打撲することで起こる病態で、めまい・頭痛・嘔気・ふらつきなどの症状はあるもののCT,MRIは特に異常所見を認めないもの。
- 命に関わる病態ではないが、もう一度脳震盪が起こればセカンドインパクト症候群となり、重篤な病態となることがある。
- 若年であれば症状が遷延することが多い。
- 外傷性頭蓋内出血
-
- 出血した部位により外傷性クモ膜下出血、急性硬膜下血腫、急性硬膜外血腫、脳挫傷と呼ばれる。
- 出血増大のリスクがあるので、入院による経過観察を要する。
- 血腫により脳を圧迫すれば血腫除去の適応となる。
- それ以上の血腫増大がないことを確認すれば退院可能となる。
CT
手術が必要となるのは血腫量が多くなった急性硬膜下血腫や急性硬膜外血腫である。
急性硬膜下血腫
術前
術後(開頭血腫除去+外減圧術)
急性硬膜外血腫
術前
術後(開頭血腫除去術)
- 慢性硬膜下血腫
-
- 外傷後3週間-3か月で起こる、硬膜下の血液成分貯留。
- 血腫により正常脳が圧排され、症状が出現する。
- 有症状であれば、穿頭ドレナージ術といって局所麻酔下にドレーンという管を硬膜下(正確には血腫腔内)に留置する手術を実施する。
- 翌日CTを実施し、問題なければドレーンを抜去する。
- 術後出血、感染がリスクとなる。
- 再発率が10-15%程度となる。抗血栓薬を内服している場合は更に再発率が高くなる。
症例
ドレナージ前
ドレナージ後
- 水頭症
-
- 脳室内に脳脊髄液が通常より貯留して、正常脳を圧迫する病態
- 脳脊髄液は脳室内で500cc/day産出され、図のように循環してくも膜顆粒といわれる脳表で吸収されている。
- 発生機序は①腫瘍や出血などによる脳脊髄液循環経路の閉塞、②くも膜顆粒からの吸収不良がある
- 治療は急性水頭症では脳室ドレナージや内視鏡治療を実施することが多い。また正常圧の水頭症ではシャント術が治療法である。
- シャント術には1.脳室-腹腔、2. 腰椎-腹腔、3. 脳室-心房の3パターンがある。
- 合併症は脳室側チューブを脳室内へ挿入する際に伴う出血と創部感染及び髄膜炎がある。前者は場合によっては緊急手術、後者は長期抗生剤加療が必要となることがある。1%前後で合併症を生じる。
脳脊髄液の還流経路
VP shunt術
術前
HDS-R 18/30
MMSE 13/30
Up and Go 145
術後
HDS-R 25/30
MMSE 23/30
Up and Go 100
- てんかん
-
- 脳細胞が異常発火することで、様々な神経学的異常症状を生じる病態。
- 症状は痙攣(手足のふるえ)が特徴的であるが、他に失語や意識障害などもある。
- 脳腫瘍や急性期脳出血の他、脳挫傷(外傷による脳の傷み)や陳旧性脳出血・脳梗塞などの古い傷があると発症しやすく、その場合は症候性てんかんという病名がつく。
- そういった傷がなくても加齢に伴い発症するてんかん発作もある。
- 治療法としては腫瘍や出血があれば摘出術となるが、古い傷であれば抗てんかん薬の内服を開始する。
- 初発で再発リスクが低い場合は抗痙攣薬の内服を開始せず、一旦は経過観察とする。
- 抗痙攣薬は当院ではイーケプラ®、ビムパット®、フィコンパ®といった新規抗痙攣を投与するが、総じてふらつきや眠気などの副作用が生じうる。
- 自動車の運転については最終発作から2年間は原則禁止とする。
- 三叉神経痛・顔面痙攣
-
- 三叉神経痛は三叉神経のいずれかの部位を動脈(多くは上小脳動脈)もしくは静脈(多くはpetrosal v.)が圧迫することで生じる発作的な顔面の疼痛。
- 診断は問診とMRIにて実施する。治療法はテグレトール®、リリカ®などの薬剤を内服するが、前者は肝障害や皮疹、後者はふらつきが出やすい。
- 外科治療は薬剤効果が不十分であったり、副作用が強い場合に実施する。 微小血管減圧術という開頭術を実施後に顕微鏡下に責任血管を移動させる治療である。
- 顔面痙攣は顔面神経起始部が動脈(多くは前下小脳動脈)によって圧迫されることで生じる眼瞼及び口唇の片側性痙攣。
- 診断は視診とMRIにて実施する。眼瞼痙攣との鑑別を要する。治療法はボトックスをまずは試行するが、3-6か月で効果が切れるので、根治術としては三叉神経痛と同様、微小血管減圧術となる。
脳神経外科